パーキンソン病の女性と1日おでかけ
依頼があったのは、60代のパーキンソン病を患っておられる女性からでした。
パーキンソン病というのは、脳の異常のために、体の動きに障害が出てしまう疾患で、おひとりで外出することが困難な状況にあります。ちなみに若い方でも発症することがありますが、やはり高齢者に多く見られる病気。
依頼があったのは60代の女性。ひとりでは外出ができないけれど、買い物も行きたいし、オシャレもしたいし、話題のスイーツも食べてみたい。いくつになっても女性ならば当たり前の願望ですね。
本来なら、特定疾患の病気なので介護保険が使えるのですけど、サービスに制限があり使いづらいので、私たち便利屋に依頼をされてこられました。
この日はほぼ1日、彼女とお付き合いしたんですよ。まずは朝、車でお迎えに行って体調確認をしてからのお出かけ。実はわたしは、介護資格を持っていて「パーキンソン病」に対しても知識を持っています。この疾患は全身を動かすことにとても効果があるのですよね。
とはいえ、デパートはエレベーターやエスカレーターが少し不便なので、この日は大型のショッピングモールへ。
彼女も最初は不安げだったのですけど、お店を一軒一軒、足を踏み入れるたびに「わー、すごい」「わー、素敵ね」と大騒ぎ(笑)。ゆっくりですが、じっくりとお店の中を見て、まさに「あれもこれも」とショッピング意欲まんまんなのです。
この日は、ひざかけとメガネと靴。それもナイキとかニューバランスとかを手にして、嬉しそうなオシャレなお婆ちゃんなんです。
お話に夢中でお腹がいっぱい
お昼ご飯は、有名な鰻屋さんで「ひつまぶし」。わたしも同席して一緒にいただいたのですけど、その頃にはすっかり不安だった様子はなくなって、ずっとお喋りに夢中になっておられました。「ずーっと喋ってばかりでごめんなさいね」と笑顔でのお食事。
「なんだか、こんな幸せに感じるのは久しぶりよ」と言っていただき、「お話に夢中になって、お腹がいっぱいになってしまったわ」と少し食事を残してしまい、笑っておられました(ちなみに、わたしは完食です…笑)
お昼を食べてから、またショッピングの続き。実際のお買い物もウインドーショッピングも、やはり女性はお買い物が好きなんですよね。改めて思います。
そのあと「3時のおやつ」に、最近できた有名なカフェに行きました。お休みの日は行列ができるようなお洒落なカフェで、いわゆる「インスタ映え」するようなお店なんです。
入店するなり「素敵ー、素敵ー」を連発してくださり、60歳の「おとめ心」にスイッチが入ってしまったようです(笑)。さらにオーダーした飲み物やスィーツも、まさに「インスタ映え」するメニューで本当に喜んでおられました。
帰り際に「わたし、この病気になって、もうこんな素敵なお店になんて来れないと思っていたのよ」とポツリとおっしゃり、「今日は案内してくれて、ほんとうにありがとう」と何度も何度も「ありがとう」とお礼を言ってくださりました。
次回もまたお買い物に行きます
帰り際に「次回もお願いしたいので、よろしくお願いします」とお買い物のお約束をしました。私もパーキンソン病の知識があるので、これからももっと体を動かして、病気と付き合いながらも、彼女が人生を楽しめればよいと心から思います。
その後に、オフィスに電話をいただき「次回が楽しみです」と明るい声でおっしゃってくださり、本当にこの仕事をしてよかったと思います。
このサービスの概要
・依頼者:60代女性
・所要時間:5時間
・金額:15,000円 (1時間3,000円×5時間:税抜)